レジリンエンスジャパン推進協議会

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強靭化コラム① 災害は、忘れるまもなくやってくる

2014月11年20日

強靭化コラム第1回 「災害は、忘れるまもなくやってくる。」

 

一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会 副会長

京都大学大学院教授、内閣官房参与

藤井 聡

 

レジリエンス・ジャパン推進協議会の皆様、協議会副会長の藤井聡と申します。

この度は、協議会へのご参加、心より御礼申し上げます。

これから定期的に、国土強靱化、レジリエンス・ジャパンについての様々な情報を、配信して参りたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

さて、本協議会にご参加の皆様におかれましては、今の日本が、どれだけ深刻な「危機」に直面しているのか、については、深くご理解いただけているところではないかと思いますが、コラム第一回目ですので、改めて、私たちが直面している「危機」がどういうものかについて、簡単に振り返ってみたいと思います。

 

第一に、地震と津波。

我が国は、戦後一貫して、巨大地震がほとんど起きない「地震静寂期」にあったのですが、1995年の阪神淡路大震災を皮切りに、中越地震、そして、東日本大震災といった巨大地震に頻繁に襲われるようになりました。今、私たちは「地震活動期」のただ中に生きているのであって、いつ何時、首都直下地震、南海トラフ地震が起こっても不思議ではない時代になってしまいました。

 
第二に、大雨に伴う大洪水や土砂災害。

「地球温暖化」が進行する以前の20世紀には、大気中の水蒸気も今よりもまだ少なく、したがって、雨雲も、今ほど大きく成長する傾向は高くありませんでした。ですが温暖化の進行に伴い、大気中の水蒸気量が増え、その結果、かつてでは考えにくかった巨大な雨雲が、おなじくかつてでは考えがたかった頻度で発生し、信じられないほどの大雨を降らせることが頻繁となってきました。その結果、各地で洪水が頻繁に起こり、そして、昨年の伊豆大島や今年の広島の例の様な、大きな被害をもたらす土砂災害が発生するようになりました。

 
第三に、火山の噴火。

これについては、戦後最大の被害をもたらした御嶽山の事例からも明らかな様に、その猛威は、凄まじい被害をもたらします。そして、第一に指摘した「地震活動期」においては、全国各地の火山で、大噴火が生じる可能性が一気に高まっている、ということが、多くの科学者達によって指摘されています。

 
第四に、インフラの老朽化。

コンクリートの寿命はおおよそ50年。そして、橋やトンネルなどの我が国の多くのインフラが作られたのも、今からおおよそ50年ほど前の高度成長期でした。つまり、全国各地のインフラが一気に老朽化しはじめたのが、今という時代なのです。そしてその結果として、一昨年の笹子トンネルの崩落事故のような、惨事が生じてしまったのです。

 
この様に今の我が国には、かつてでは全く心配する必要の無かった実に様々な危機が、一気に生ずる様になってしまっているのです。
かつて、私たちは「災害は、忘れた頃にやってくる」と言って、備えをせねばならぬと自らを戒めてきました。しかし今や、私たちは「災害は、忘れるまもなくやってくる」ような時代に生きているのです。
そんな現代に生きている以上、公共も民間もなく、そして分野の別なく、「危機」を十二分にイメージし、そこに危機があることを、「当たり前の事」として認識することが、求められているのです。

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